前屈障害型腰痛の治療・予防

腰を前かがみにしてはいけないタイプの腰痛では、とにかく日常生活で腰を前かがみにしないようにとの指導が中心で、それが治療法であり、また予防法となります。

このタイプの腰痛のほとんどは、長時間座っていた、ずっと同じ姿勢をしていた、中腰になるなど不良姿勢や、不適切な日常の生活動作が原因になるので、姿勢や日常の生活動作の改善が最も重要な治療法でであり、そしてそれがそのまま予防法になるのです。

そこでまず正しい姿勢を知らないといけません。

この正しい姿勢とは、”脊椎の生理的彎曲が、無理なく自然に維持されている姿勢”であるといえます。

つまり、私たちの脊椎（背骨）が本来もっている脊椎の彎曲（頸椎で前に、胸椎で後ろに、腰椎で前に少し彎曲している、Ｓ字の彎曲）が自然な形で維持されている姿勢です。

前屈障害型腰痛にはさまざまな原因による腰痛が含まれますが、このグループの腰痛の治療の基本であり、しかも最も重要なことは”腰椎の生理的前彎を常に維持すること”です。

そこで、前屈障害型腰痛の治療としては、まず腰椎の生理的前彎を常に維持し、できるだけ前かがみにならないことを目的とした姿勢および生活指導を行います。

腰痛のときには、だれでも痛い動作を避けますので、体の動きが鈍くなり、さらに動く程度と動く範囲も限られてきます。

すると、腹筋や背筋をはじめとする全身の筋肉も衰えてくるのです。

また、各関節も動きが悪くなってしまいます。そこで腰痛の痛みが軽くなったり、おさまってきたら、腰痛治療のための運動を始めます。この治療としての運動は、腰椎を伸ばす運動（腰椎伸展運動）か、筋肉や腱をゆっくり伸ばす柔軟体操であるストレッチを行います。

ただし、ぎっくり腰の様な急性の激しい腰痛の場合は、痛みがおさまるまで2～3日くらいは安静にして、痛みが軽くなったら運動を開始します。

最も軽い前屈障害型腰痛である、いわゆる腰痛症の場合には、もともと長い間机に座っていた、中腰の姿勢をした、自動車から腰をかがめて降りたなどのときに多く痛みを感じます。

この場合、通常（ほかになにも痛みの原因がない場合）ｈ、腰椎を伸ばす簡単な運動やストレッチですぐに腰痛は軽くなり、腰が前に曲げられないことや、また前に曲げると痛いなどの症状も軽くなってきます。

腰痛症やぎっくり腰、慢性の腰痛などになる人は、直接的な原因として不良姿勢や長時間同じ姿勢をしていたことで、腹筋や背筋が衰えていることがあります。

筋肉が発達していないと身体を支える能力や運動能力が低下して、他の人と同じ動作や姿勢をしても疲れやすかったり、筋肉痛が出たりします。

腰痛を出ない体にするためには足腰の筋肉を鍛えることが必要です。

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