指圧の意義と沿革

指圧療法とは疾病の治療および予防を目的として、全身の体表に定められた部位を、徒手を用いて、垂直圧の一点圧を主体とした、押圧操作を遠心性の方式で生体に加え、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、疲労素を取り除き、健康を増進させる指圧療法である。

内臓の異常は求心性の内臓知覚神経のインパルスとして脊髄の後角で、これと相好を共にする自律神経と、その周辺の皮ふ、筋の知覚神経に作用し、、その体表の知覚神経を支配する領域に知覚過敏や筋の過度緊張を生じ、これが【こり】【痛み】となって体表に現れます。これを関連痛といいます。

したがって、体表の知覚過敏または筋緊張を起こしている部位を指圧する事は関連痛と逆の作用を引き起こす事ができます。

すなわち圧の強弱、圧法の変化などによって、体表から内臓反射を促し内臓の働きを活性化し、機能の変調を正常化することができるわけであります。

これを反射作用といいます。

また、内臓の機能異常は、不適切な姿勢による背筋・腰筋の緊張が生体の左右不近衛を来し、脊柱彎曲、あるいは異常を起こし、その為脊髄神経や交通する自律神経の圧迫などを来すことから起こる。

この場合はその筋肉群の緊張不近衛を指圧で調整し緊張を解くことにより、脊柱の彎曲や異常を矯正します。これを矯正作用といいます。

指圧はこの反射作用と矯正作用を活用して全身機能の好転を図るものです。

指圧はあん摩、導引、活法を総合した経験療法として、江戸時代には民間で行われてきたが明治時代に入り、これらの手技操作を共通するアメリカの整体術、カイロプラクティック、オステオパシー、スポンディセラピーなどの療術が輸入されるに及び、この施術を導引にとりいれ、改良して独自の手技療法として体系化し、大正時代に指圧法として統合され、昭和時代にあん摩,マッサージ,指圧師として法律で認められています。