肩甲骨の重要な役割
肩甲骨は背中の真ん中にある左右一対の羽根のような骨。
腕を動かすためになくてはならない骨ですが、それ以外にも重要な役割があります。肩甲骨が自由に柔軟に動くことが、全身の動きや健康にも大きく関わってくるのです。
姿勢を支える筋肉は抗重力筋と呼び、重力がかかる立ち姿勢を維持するために重要な役割を果たしています。
背中側にある抗重力筋は、肩甲骨の動きをサポートするためにも働いており、肩甲骨のガチガチは姿勢の維持にも影響を与えます。
また抗重力筋の衰えが肩甲骨の働きにも影響するため、相互に関わり合っています。肩甲骨は体のバランスの維持にも働きます。
肩甲骨は背中の左右に対象にある平たい逆三角形の大きな骨です。肩甲骨と胴体をつなぐのは、鎖骨と肩甲骨が接した肩鎖関節のみ。
肩甲骨を支えるのは背中や腕などから四方八方に伸びている17の筋肉です。関節ではなく、筋肉で支えられているからこそ、まるで羽根のように浮き、背中の肋骨の上を自由に動きます。6方向の動きで腕の動きをサポートするだけでなく、体のバランスを維持することも肩甲骨の重要な役割です。
地上には常に重力が働いていますが、この重力に逆らって体の重みを支え、倒れないように維持するには、背中側とおなか側の筋肉が協力して、姿勢を保つことが不可欠です。
特に、背中側の抗重力筋は、重い内臓が収まったおなかで前のめりにならないよう、全身をまっすぐに保つのに重要な働きをしています。
この背中側で姿勢を支えるためにがんばっている抗重力筋の一部は、肩甲骨を支える筋肉にもなっています。そのため、これらの筋肉が衰えたり、動きが悪くなると、体は重力に負けて、姿勢をうまく保てなくなってしまうのです
姿勢をうまく保てなくなると、肩甲骨はさらにガチガチに固まり、肋骨の上にへばりついてしまいます。肩甲骨の可動域は制限され、腕の動きに支障が出るだけでなく、首や肩、背中などにコリが発生し、痛みが出てきます。
コリが出てこわばった筋肉を放置すると、自律神経にまで乱れが生じます。
自律神経は変化するまわりの環境に合わせて体の機能を一定に保つ体内のシステムですが、バランスが崩れると全身に不調が現れます。コリをあなどると、全身の不調につながる恐れもあるのです。