●腕を軽く振るだけで血液の脂がどんどん落ちる
内臓脂肪や血液中の脂肪尾を落として、動脈硬化などのリスクを減らすためには、毎日の適度な運動が欠かせません。
とはいえ、ふだんから体を動かすことに慣れていない人には、軽いジョギングやウォーキングであっても、心臓や肺にかかる負担や、転倒などによるケガの心配もあります。
だれにでも覚えられる簡単な動作で、足腰の弱ったお年寄りでもすわったままで行える、即効性の高い腕だけ走りが効果的です。
腕だけ走りをすると、血液の流れが改善され、肥満や高脂血症を予防するだけでなく、肩コリや冷え症、むくみといった血行不良に起因する体の不調も治まります。
動作としては、まっすぐに立って(あるいはイスにすわって)その場で腕だけをジョギングするように前後に振るのです。
これだけでも十分効果がありますが、さらに腕を横に広げて肩の位置まで持ち上げる動作、腕を縦に振ってバンザイをする動作も加えると、よりいっそうの効果が得られます。
でもなぜ、腕を振るだけで血液循環がスムーズになるのでしょうか。
成人の両腕の重さは、体重の約8分の1といわれます。50㎏の人なら片腕分は約3㎏、65㎏の人なら、約4㎏の重さになります。
このおもりに引っ張られ、肩の筋肉は緊張状態がつづき、血管は収縮して血液の流れが悪くなっています。
そこで、腕だけ走りで筋肉の緊張をほぐすと、血管の収縮と弛緩が活発になって、指先のような末端の血液交感が促進されるのです。
また血液循環がスムーズになると、細い血管壁に血液の脂が付着するのを防ぎ、動脈硬化の予防にもつながります。
●肩の周りの筋力をつけ、基礎代謝力をアップ
腕を振る動作がウェイトトレーニングになるというメリットもあります。
肩の周りは、三角筋や上腕二頭筋など比較的大きな筋肉が集まっているところです。
これらの筋力をつける事で基礎代謝力をアップして、脂肪を消費しやすい身体に変えるからです。腕だけ走りを行うときのポイントは腕振り各20回、休憩を入れながら1日3セット行うこと。
すわって行う場合は、少し足を床から持ち上げ、腰のひねりを意識すると、内臓の働きが活性化され、腹筋を引き締めて、禍福がふくらんだ洋ナシ型肥満の解消に有効です。
自分のペースに合わせて回数の調整や、スピードをゆるめてもかまいません。ぜひ腕だけ走りで健康になってください。