肩こりや首の痛みには骨格のバランスの歪みが大きくかかわっています。
人体に中心には頭蓋骨から骨盤まで脊椎が通っています。
脊椎は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎で構成されていて、緩やかなS字状に湾曲しています。
このS字カーブは過重負担や衝撃をうまく分散させるようにできていて、1ヵ所に強い力が加わっても、それをしなやかに受け止めて、衝撃や負担を緩和させることができる合理的なデザインになっています。
この緩やかなカーブがあってこそ、私たちは重い頭をのせながら直立して活発な活動をしたり、様々な運動をすることができます。
ではもしも、このS字カーブが崩れてしまったらどうなるのでしょうか。
第一に、荷重負担を分散する事ができないので、6キロもある頭の重みがまともに脊椎にかかってきます。
そして脊椎の周りの筋肉に大きな負担がかかります。特に脊柱起立筋という頭や体を倒したり起こしたりする筋肉が緊張しっぱなしとなり首肩腰などにコリや痛みが生じます。
またこうした脊椎のバランスの歪みには、骨盤にある関節の状態の良し悪しが大きく影響しています。
それが、仙腸関節です。
骨盤には、いくつかの骨が組み合わさっていて仙骨、二つの腸骨がハート型の骨盤を作っています。
その仙骨と腸骨をつなげているのが仙腸関節です。仙腸関節は前後に数ミリ動くことが分かっていて、この数ミリの遊びが体全体のクッションのような働きをしていて、荷重や衝撃を逃がすためのとても重要なポイントになっています。
ですから、仙腸関節の動きのいい人は頸椎や腰椎などの脊椎にかかる負担をうまく和らげることができます。
逆にこの仙腸関節の動きが悪くなると、その支障は脊椎や周囲の筋肉に痛みとなって現れます。
仙腸関節と脊椎の共同作業ができなくなり、脊椎が全ての負担を背負うことになり、腰椎や頸椎の椎間板にトラブルが生じたりして、首、肩、腰のこりや痛みが生み出されていきます。